ビットコインに投資すべき?概要と特徴を知ることから始めよう

 

この記事では、「ビットコインに投資すべきか」悩んでいる方を対象に、ビットコインの「基礎的な要素」を紹介して、投資判断の材料を提供することを目的にしています。

 

ネット上に出回っている基本的な情報から、投資前に必ず確認しておきたいポイントまで詳しくまとめています。
この「記事の中で知らない内容があると、非常に危険」というくらい、超重要なポイントを網羅しているので、ビットコインを利用する方は必ず目を通しておいてくださいね。

 

 

① ビットコインはどのように生まれたのか?

ビットコインは、「サトシ・ナカモト(Satoshi Nakamoto)」という謎の人物(日本人?)が、2008年11月に発表した「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System」(ビットコイン:P2P電子キャッシュシステム)という論文に興味を持った人たちによって、オープンソースで開発されました。開発当時、ビットコインに価値はありませんでしたが、利用者や支持者が増えるにつれて、価値も上昇。現在(2017年9月)の取引価格は「1ビットコイン=約430,000円」です。この急激な価格の上昇は、数多くの億万長者を生み出しました。

 

② ビットコインのシステムを俯瞰しよう

仮想通貨に投資をする上で、ビットコインのシステムを知ることは、とても重要です。なぜなら、他の仮想通貨(アルトコイン)の多くが、ビットコインの仕組みに基づいて、開発されているため、そのバックボーンを学ぶことで、仮想通貨全体に対する理解が深まるからです。それでは、始めましょう。

 

2.1 P2Pネットワーク

ビットコインは、分散型ネットワークによって、運営されています。このことを「P2P(Peer to Peer)ネットワーク」といいます。これは、既存の中央機関(政府・銀行など)による中央集権型システムとはちょうど対をなします。両者を比較してみましょう。次の図をご覧ください。

 

 

中央集権型システムは、中央機関(政府や銀行など)によってデータが一元的に管理されています。一方、P2Pネットワークはデータをそれぞれの端末(ノード)が分散的に管理しています。中央集権型システムは、集中したデータを管理するために、膨大なコストをかけています。その点、P2Pネットワークでは、データが分散されているため、管理コストをかけずに、システムを維持することができます。これが、P2Pネットワークの利点です。

 

2.2 電子署名

ビットコインで行われる取引を理解するために、「電子署名」という技術について考えましょう。電子署名により、ビットコインの取引が、「二重支払い」や「改ざん」されることを防いでいます。その仕組みについて、以下の図にまとめました。

 

 

電子署名では、データの送信者が、暗号化に使う「秘密鍵」と復号化に使う「公開鍵」を用意します。そして、データからハッシュ関数と呼ばれる暗号化アルゴリズムを使うことで、ハッシュ値と呼ばれる値を算出します。そのハッシュ値を「秘密鍵」で暗号化した後、データと暗号化されたハッシュ値を受信者に送信します。受信者は、ハッシュ関数でデータのハッシュ値Xを算出します。そして、「公開鍵」で暗号化されたハッシュ値Yを複合します。X=Yとなれば、送信者が本人であることが証明されます。

 

ビットコインを送金するためには、秘密鍵が必要です。この秘密鍵から公開鍵が作られます。公開鍵から秘密鍵を割り出すことはできません。そして、公開鍵から、ビットコインアドレスを作ることができます。ビットコインアドレスとは、口座番号のようなもので、送金先を示しています。そして、先ほど説明した電子署名の仕組みを利用することで、ビットコインの取引が間違いなく送信者本人からのものであると確認することができ、取引が成立します。

 

2.3ブロックチェーン

ブロックチェーンとは、分散化された台帳のようなシステムです。数百から数千個のビットコインの取引記録(トランザクション)をまとめたブロックを、P2Pネットワーク参加者で手分けして承認して、1本のチェーン(鎖)の形で共有しています。次の図をご覧ください。

 

 

ビットコインの取引は常に行われているので、トランザクションがどんどん増えていきます。ビットコインの取引は、お互いの承認により成立するため、この段階ではすべての取引は「未承認」です。ビットコインでは、未承認のトランザクションを約10分ごとにまとめます。そして、それを「ブロック」として、一括承認していきます。新しく承認されたブロックが、承認済みのブロックのチェーン(鎖)の最後尾に追加します。これで、取引が成立します。

 

2.4 マイニング(採掘)とPoW(プルーフ・オブ・ワーク)

ビットコインの取引が、ブロックチェーン参加者が互いに承認し合って初めて成立することは、すでに説明した通りです。それでは、どのように取引が承認されるのでしょう? この承認作業のことを、マイニング(採掘)と呼びます。ビットコインのマイニング方式は、PoW(プルーフ・オブ・ワーク)というコンセンサス・アルゴリズムを採用しています。PoWをざっくり説明すると、「最も計算した人(仕事をした人)がマイニング競争に勝つ」という証明をするルールです。目的は、以下の3点です。

 

  • 不正を監視・防止
  • 正当な取引を完了させる
  • 通貨を発行する

 

それでは、マイニング(採掘)の詳細について見ていきましょう。

 

 

ブロックはそれぞれハッシュ関数によって、ハッシュ値に置き換えることができます。新たに、ブロックを追加する時には、「直前のブロックのハッシュ値 + 今回のブロックに含まれる全取引データ + 任意の文字列(ノンス値)」を同様にハッシュ値に置き換えて、定められたターゲット以下の値にならなければなりません。

 

ノンス値が一桁でも違えば、生成されるハッシュ値もまったく異なります。つまり、任意のノンス値を片っ端に当てはめていく必要があります。偶然、成立されたハッシュ値がターゲット以下になる確率は、とてつもなく低いため、10分間の間に、何億回、何兆回も試行錯誤しなければなりません。そのためには、膨大な演算能力と電力が必要になります。そのため、個人(初心者)がマイニングに参加することは現在ではほぼ不可能です。

 

③ ビットコインを入手する方法

 

ビットコインを入手する方法は、仮想通貨取引所のアカウントを作って、購入する方法が一般的です。簡単に流れを説明します。まず、仮想通貨取引所のサイトに行って、アカウントを作成します。この時に、基本情報の入力が求められるので、それを書きます。次にやるべき事は、本人確認の手続きです。本人確認書類をアップロードして審査を通ると、自宅に本人確認書類が送られてきます。これで、取引所にお金を入金して、ビットコインを買うことができます。

 

④ビットコインはどのように使われる?

ビットコインは、日常で「使える」通貨になることを目的としています。ここでは、ビットコインがどのように使われているかを説明します。

 

4.1送金

ビットコインの代表的な使用方法として「送金」が上げられます。特に、海外送金では、既存の方法に比べて、

  • 手数料が安い
  • 送信速度が早い

という特徴を持っています。これは、ビットコインのネットワークが、政府や銀行などの中央機関を通さずに運営されているため、送信者と受信者が直接やり取りすることによって、実現されています。

 

4.2決済

ビットコインを使った「決済」も、少しずつですが、対応する店舗も増えています。これから、2020年の東京オリンピックに向けて、訪日外国人の決済方法として、どんどん普及していくと予想されます。ただ、ビットコインを使った決済は、ビットコインの取引が承認されるまでに、10分の時間がかかってしまうため、利便性という意味では、あまり高くはありません。

 

4.3投資

ビットコインは投資対象としても、非常に魅力的です。売買を通じて得るキャピタルゲインやホールドによる値上がりなどによって、利益を上げた人は、数多くいます。ここでは、現在のビットコインの時価総額と今までの価格の推移について説明します。

 

4.4時価総額

仮想通貨の時価総額は、次の計算によって算出されています。「時価総額 = 仮想通貨1単位辺りの値段 × 仮想通貨の供給量」現在(2017年9月)のビットコインの時価総額は、$61,032,724,180であり仮想通貨の中では最も高いです。時価総額第二位のイーサリアムの時価総額が$26,012,149,787であることを考えると約2.3倍であり、圧倒的な市場規模を持っています。

 

4.5価格の推移

次のグラフは、ビットコイン価格の推移です(1年単位)。去年(2016年)9月の価格から、右肩上がりで、価格が上昇している様子を見ることができます。

 

 

 

次のグラフは直近3ヶ月のビットコイン価格の推移です。

 

 

⑤これまでの大きな価格変動

次にこれまでで、ビットコインの価格が大きく変動した3つの局面について、みていきましょう。

 

5.1 分裂懸念

ビットコインのスケーラビリティ問題 —取引量の増加により手数料の増加と取引速度の遅延が生じること− の解決方法を巡って、関係者が対立、その結果、ビットコインが分裂する案が浮上し、先行きの不透明感を憂慮した投資家が利益確定の売りをしたことによる価格の下落。

 

5.2分裂問題決着

2017年8月1日にビットコインは、「ビットコイン」と「ビットコインキャッシュ」に分裂しました。分裂が円滑に行われた結果、分裂問題に対する懸念が軽減、価格の上昇が続きます。

 

5.3中国取引所停止

中国の取引所である「BTCチャイナ」が2017年9月末であらゆる取引を停止すると発表しました。この報道を受けビットコイン価格は急落します。

 

⑥ビットコインに投資するべきか?

この章では、ビットコインのメリット・デメリットについて考え、ビットコインに投資すべきかどうかについて総評します。

 

6.1 メリット

まずはメリットから見ていきましょう。

これは、ビットコインがこれからの普及することが予想される理由であり、ビットコインの強みになります。

 

6.1.1ブロックチェーンの可能性

ビットコインを支える技術であるブロックチェーンは、とても革新的な技術です。その仕組みは、あらゆる産業に応用可能であり、開発・研究が活発に行われるはずです。そんなブロックチェーンの技術を最初に体現したビットコインも、ブロックチェーン技術が重要性を増していくのに従い、その価値を高めていくことが想定できます。

 

6.1.2送金の利便性が高い

ビットコインの送金は、24時間365日いつでも行うことができます。また、銀行を経由しないため、「早く」「安く」送金をすることができます。この送金手段としての利便性の高さは、より多くのユーザを増加させる強みとなります。

 

6.1.3国際通貨であること

ビットコインは、世界中どこでも使うことができます。そのため、換金の手間や手数料にコストをかけずにすみます。また、政情不安のある一部の国では、自国通貨よりも国際通貨であるビットコインに対する信頼度の方が高いという場合もあります。今後も、国際通貨として、より普及していく可能性は高いです。

 

6.2 デメリット

次にビットコインのデメリットについて解説いたします。

 

6.2.1投機的側面がある

ビットコインは、投機的側面があるため、価格変動性が高いです。そのため、保有資産にするには、価格にバラつきがありすぎる事実は否定できません。ただ、価格変動性を逆手にとって、投資で利益を上げることも可能なため、一概にデメリットであるとはいえません。

 

6.2.2取引速度が比較的遅い

ビットコインの取引は、1回承認されるために10分かかります。送金をする際には、その時間は早いです。しかし、店舗での決済に10分かかるというのは、現実的ではありません。アルトコインの中には、取引を数秒で終わらせることができるモノもありますので、仮想通貨の中では、ビットコインの取引時間は遅いといえるでしょう。

 

6.2.3国からの保証がない

ビットコインは、法定通貨ではありませんので、仮にハッキングによって、ビットコインが失われたとしても、頼れるところは、どこにもありません。利用も管理も自己責任で行う必要があります。

 

6.3総評

ビットコインは、価格変動性が高いです。そのため、前述した「分裂懸念」や「中国の取引所停止」などに反応して、大幅に価格が下落する局面もみられます。それを不安に思う方も多いでしょう。しかし、ビットコインには、優れたシステムと高い利便性という強みがあります。一度価格が急落しても、すぐに元の価格に戻すのは、それらの強みが価値として信頼されているからです。長期的にみれば、少なくとも2020年の東京オリンピックまでは、上昇トレンドでしょう。要するに、局面ごとに反応するのではなく、ホールドしておけば、自ずと利益が見込めると考えています。

 

まとめ

「ビットコインに投資すべきか」を判断するための材料になるべく、ビットコインのさまざまな側面について、説明してきました。結論は、ビットコインに長期的な投資を行い、値上がりによる利益を得ることが最も賢明な戦略ではないかということです。勿論、投資の判断はご自分で良く考えた上で行うべきですが、一つの意見として、参考にしてみてください。最後までご覧いただき、ありがとうございました。

 

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