【徹底調査】ブロックチェーンプラットフォーム「Mijin(ミジン)」とは

当記事では、国内最大級の仮想通貨取引所Zaifを運営するテックビューロ社が開発した今日本でも話題のブロックチェーンプラットフォームである「Mijin(ミジン)」について説明します!

1.Mijin(ミジン)とは

「Mijin(ミジン)」とは、2015年の秋頃からテックビューロ専属となった3人のNem(ネム)のコアデベロッパーたちによって開発されている、プライベート型ブロックチェーンのことです。
ビットコインと違い、「許可制(プライベート)」を用いることにより様々なメリットが得られています。

ビットコインを代表とする、誰もがノードとして参加できるように公開されているブロックチェーンは「パブリック」であると言えます。それに対して、mijinはあなたが管理するネットワーク上で、指定したノードだけが参加することができる「プライベート」なブロックチェーン(Permissioned Blockchain)を構築するためのプラットフォームです。
公式HPより

プライベートブロックチェーンの特徴

Mijin(ミジン)のプライベートブロックチェーンの特徴は以下の3点になります。

  1. 「消えない」
  2. 「改ざんできない」
  3. 「ゼロダウンタイム」

Mijin(ミジン)のブロックチェーン上に記録されたデータは、全てのノードを停止するまでは消えることがなく、公開鍵暗号技術にて署名されたデータは、第三者によって改ざんすることができない。
さらに、Mijin(ミジン)のブロックチェーンでは、既存の「クライアント・サーバー」方式では不可能な「ゼロダウンタイム」を実現します。用はシステムが停止することがない、ということになります。

ダウンタイムとは、Webサイト情報システムなどで障害発生してそれを利用することができない期間のことである。
Weblioより

高機能なブロックチェーンを提供

Mijin(ミジン)は、独自の仮想通貨を発行するためだけのプラットフォームではなく、以下の機能を有しています。特にイーサリアムと同様にスマートコントラクト機能など、幅広い用途で重宝されるプラットフォームになるでしょう。

マルチ・アセット対応

ビットコインのようなシングルアセットだけではなく、複数のアセットを同時に且つ自由に管理できます。

マルチ・シグネチャ対応

ネイティブでマルチ・シグネチャ(複数電子署名)に対応し、複雑なトランザクションや権限管理にも対応できます。

スマート・コントラクト対応(2016年予定)

単に「ポイント」のようなアセット管理だけではなく、計算処理や複雑な契約を作成し自動実行できます。

Mijin(ミジン)の用途

Mijin(ミジン)は、多くのデータベースの代替案として挙げられております。
単純なDBとしてではなく、計算処理や決済、アセット管理、情報管理、契約執行に最適とされ、新規で築することに比べると、大幅なコスト削減となるでしょう。

アセット管理

ポイントサービスや、オンラインゲーム内通貨、株式取引所、銀行など、いわゆる数値としてのアセット所有権を管理するサービスにご利用頂けます。

決済システム

アセットを管理するだけではなく、その譲渡や計算処理を内部的に完結できるため、企業間決済からユーザ向けの決済など幅広くご利用頂けます。

契約システム

数値ではなく、情報の管理と契約の執行を内部的に行えるため、社内稟議システムや企業間決済、流通管理などにもご利用頂けます。

情報管理システム

所有権や情報の管理に特化すれば、政府の登記システムや、社内のドキュメント管理、契約管理、メッセージングにもご利用頂けます。

2.大幅なコスト削減

Mijin(ミジン)では、各ノードが分散して同等の役割を果たすため、高価なハードウェアやインフラ環境が必要がなく、ノードを地理的に分散した複数のネットワーク上に設置すれば、回線や電源の冗長化も必要ありません。
また、各ノードが動的に同期を取る仕組みとなっている為、バックアップも不要となっており、Mijin(ミジン)をプラットフォームとして採用することで、大幅なコスト削減を実現します。

  1. 堅牢性が不要
  2. 冗長化が不要
  3. バックアップが不要

ゼロダウンタイムを安価に実現

Mijin(ミジン)では、全ノードが同時に停止しない限りはサービスが継続するため、原理的にゼロダウンタイムを低コストで実現することができます。

開発コストの削減

様々な設定や設計が必要な既存のデータベースシステムに比べ、mijinではアセットの定義をするだけで利用を開始できます。

また、用意されたJSON APIからJavaScriptを使って全ての機能を利用できるため、高度な知識も必要ありません。

mijinの導入により、システム開発の工期や人月を大幅に削減することが可能です。

3.信頼性とセキュリティ

ゼロダウンタイムの信頼性

ブロックチェーン技術では、P2Pネットワーク上のノードすべてが全て消失しない限りはその機能が停止することがなく、既存の「サーバー・クライアント」方式は不可能だった「ゼロダウンタイム」を実現します。

最悪のケースでデータ処理に遅延が発生しても、システムが落ちることはありません。そのことは、2009年から止まることなしに稼働し続けているビットコインの存在が証明しています。

ビットコインを上回るセキュリティ

ビットコインでは全てのノードがインターネット上で晒されています。にもかかわらず、秘密鍵が第三者の手に渡らない限りは、2009年以来そのデータが改ざんされたり盗まれたりしたことは一度もありません。

mijinではその特徴に加え、ノード自体を外部から隔離されたプライベートネットワーク上に置くことが可能なため、二重の安全性を提供します。

また、暗号技術を用いてノードへのアクセス自体を制限することができるため、内部のデータは数学的に安全性が保証されます。

nemチームの誘致

nemは、2014年1月に始まったビットコイン 2.0プロジェクトです。ビットコインで採用されている非効率な暗号計算による競争「Proof of Work」ではなく、各アカウントの重要性によって手数料が分配される「Proof of Importance」というコンセプトの元に一からJAVA言語を用いて構築されたnemは、9ヶ月間にも及ぶ実証テストの後に2015年3月31日にローンチされました。

nemは、暗号通貨であるXEMが発行されているだけではなく、独自の暗号通貨を管理できる「Colored coin digital asset」機能やReputation機能、Domain Name機能、スマートコントラクト機能を順次実装している高機能なブロックチェーン技術です。

mijinは、そのnemを開発したチームを誘致し、その長い開発経験と高い技術力を活かし、プライベートブロックチェーン構築用のプラットフォームとして、テックビューロ株式会社にて一から開発されたプラットフォームです。

ビットコインなどをコピー、改造したクローンと呼ばれるサービスや技術は数多く存在しますが、暗号技術、セキュリティの専門家が一から構築したものはごくわずかであり、mijinプラットフォームはその一つとなります。

高度なセキュリティ技術の導入

Nem(ネム)と同様にEigentrust++を採用

スパム処理をおこなってくれるEigentrust++を採用することによって、セキュリティレベルを向上しております。

mijinはマルチ・シグネチャ(複数署名)にネイティブで対応するだけではなく、nemと同様にeigentrust++アルゴリズムを採用し、P2Pネットワーク内に虚偽のデータが紛れ込んだとしてもそれらを自動的に排除します。

4.Mijin(ミジン)の今後について

公式サイトで以下のように公表しております。

我々のミッションは、2018年までに金融機関のインフラコストを1/10未満にまで削減することです

金融機関のインフラコストを抑える=金融機関のインフラを担うことになります。

本日、日経FinTech誌に掲載されました記事「住信SBIネット銀行のブロックチェーン検証、 勘定系業務での適用に成功」におきまして、弊社ブロックチェーン構築プラットフォーム「mijin」が銀行の勘定系業務に適用できることが実証されたと報じられました。
公式HPより

その他にも様々な分野で検証が進められています。

一般社団法人日本ジビエ振興協会(本社:長野県茅野市、理事長:藤木徳彦、以下「ジビエ振興協会」)は、ジビエ食肉トレーサビリティシステムへ、テックビューロ株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役:朝山 貴生、以下「テックビューロ」)のブロックチェーン製品「mijin」を採用し、2017年10月より試験運用を開始した事を発表します。本システムは順次、実サービスとして全国へ展開します。
公式HPより

今後もいろいろな企業が検証を進めるにつれて、認知がひろがることによって需要は大きくなっていくことでしょう。
日本のインフラを大きく動かすのは、Mijin「ミジン」かも知れませんね。
今後も目が離せない技術の一つです。

 

 

 

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